保育士直伝!子どもが喜ぶ絵本の選び方
絵本は、子どもの成長において大切な役割を果たすアイテムの一つです。親子のコミュニケーションを深めるだけでなく、子どもの想像力や語彙力を育む絵本。今回は、現役の保育士である佐藤先生に、子どもが喜ぶ絵本の選び方についてお話を伺いました。保育の現場で多くの子どもたちと接している佐藤先生ならではのアドバイスを基に、子どもが夢中になる絵本のポイントをご紹介します。
1. 年齢に合わせたテーマの選び方
「絵本選びの第一歩は、子どもの年齢に合ったテーマを選ぶことです」と佐藤先生は言います。例えば、乳児期の赤ちゃんには、シンプルでカラフルな絵やリズミカルな言葉が繰り返される絵本が効果的です。赤ちゃんは視覚的な刺激が好きなので、色鮮やかでコントラストの強いイラストが多く描かれたものが最適です。
一方で、2~3歳の子どもには、少しストーリー性のある絵本がおすすめです。日常生活の出来事や簡単な冒険を描いたもの、親しみやすい動物が登場する絵本などが子どもの興味を引きます。佐藤先生は「この時期の子どもたちは自分の世界を広げることに興味があるので、現実的な内容に共感しやすいです」と説明します。
2. 子どもの興味を引くイラスト
「子どもたちの反応を見ていると、やはりイラストの魅力は大きいですね」と佐藤先生。絵本のイラストは、単なる視覚的な要素にとどまらず、子どもの想像力をかき立てる重要な要素です。特に、小さな子どもは視覚的な情報から多くを学ぶため、明るくて魅力的な色使いや、キャラクターの表情が豊かなものがおすすめです。
佐藤先生は、「イラストが細かく描かれているものや、ページごとに発見があるような絵本も子どもに好まれます。例えば、探し絵の要素があるものや、隠れたキャラクターを見つける遊びができる絵本も人気があります」と具体的な例を挙げてくれました。
3. 繰り返しのリズムや音が楽しめるもの
「子どもたちはリズムや音が大好きです。特に、言葉がリズミカルに繰り返される絵本は、何度も読んで欲しいとリクエストされることが多いですね」と佐藤先生は語ります。繰り返しのリズムや韻を踏んだ言葉は、子どもにとって覚えやすく、安心感を与えます。
また、「動物の鳴き声や乗り物の音など、擬音語や擬態語が豊富に使われている絵本は、子どもたちにとって音を楽しむことができるので人気です。読んでいるうちに、子どもたちも一緒に声を出して楽しむようになります」と佐藤先生は付け加えます。
4. 物語に感情移入できるキャラクター
「子どもたちは、自分と同じようなキャラクターに感情移入しやすいです」と佐藤先生は言います。子ども自身の生活や感情に共感できるキャラクターが登場する絵本は、子どもにとって特別なものとなります。
例えば、「初めての経験やちょっとした困難に直面するキャラクターの物語は、子どもたちが自分を重ね合わせて学ぶことができます。また、勇気を出して新しいことに挑戦するキャラクターや、友だちと協力するシーンが描かれた絵本も、子どもたちにとって励ましや学びになるでしょう」と具体的な選び方を教えてくれました。
5. 読み聞かせやすいサイズと形状
「意外と重要なのが、絵本のサイズや形状です」と佐藤先生は指摘します。特に小さな子どもには、持ちやすく、ページをめくりやすいサイズの絵本が適しています。丈夫なボードブックタイプの絵本は、多少乱暴に扱われても壊れにくく、長く楽しむことができます。
また、「読み聞かせをする際には、大きな文字で書かれている絵本や、見開きで大きな絵が描かれているものが読みやすく、子どもたちの集中を引きやすいです」と佐藤先生はアドバイスしています。
6. 絵本選びに迷ったら、子どもの反応を見て決める
「最終的には、子どもの反応が一番の指標です」と佐藤先生は強調します。絵本を選ぶ際には、子どもに直接触れさせ、反応を観察することが大切です。もし子どもが絵本に興味を示したり、何度も手に取って読みたがるようなら、その絵本は成功です。
「子どもが選んだ絵本を尊重し、一緒に楽しむことで、絵本への愛情が深まります。子どもたちは自分が好きなものを自分で選ぶことで、読書の楽しさをより実感できます」と佐藤先生は締めくくりました。
絵本は単なる読み物ではなく、子どもの成長において多くの役割を果たす大切なツールです。保育士の佐藤先生からのアドバイスを参考に、ぜひお子さんが喜ぶ絵本を見つけてみてください。絵本を通して、親子で素敵な時間を過ごしましょう。