「うっせえばばあ」高校野球にかける息子が放った一言…周囲の行動に涙

夏の高校野球も間近に迫り、選手や関係者は勝利、レギュラー、ベンチメンバーとさまざまな目標の成果が現われる時期になってきました。そこには多くのドラマが生まれ、選手だけでなくその家族も一緒になって喜び、悲しみなどさまざまな感情が入り乱れるものです。今回、高校球児のお子様を持つ方からひとつのお手紙をいただいたのでご紹介します。

 

高校球児のお子様を持つ方はもちろん、他の部活動に励むお子様を持つ方にもきっと胸に響くエピソードです。

(以下、いただいたお手紙の内容です。)



===

私には、高校生の息子がいます。

息子は、高校の野球部に所属しており、毎日毎日、朝は早く、夜は遅くまで練習に明け暮れています。

野球が大好きで物心ついたころから何よりも野球に打ち込んできました。

最後の夏が迫った今、そんな息子を影ながらドキドキとしながら応援しています。

~~~

と聞こえは、ありきたりな応援メッセージかもしれません。

 

でも、本当は、他のご家庭のお子様より少し遅れてきたような反抗期のまっただ中で、家ではあまり話さないので学校や部活のことは全くわからず、他の保護者の方から「息子忘れ物常習犯だって?」と情報が入ったり、家にいたくないから学校に早く行き遅く帰ってきたりしているようです。何か口を開いたかと思えば、「お小遣いちょうだい」「学校まで送って」

と自己都合の会話くらい。

 

少しでも、私が口を開けば、「うっせえばばぁ」作ったお弁当は、なにも手を付けずそのまま放置。真っ黒のユニフォームも、そのまま放置。息子に腹が立ってもしょうがないと思いつつも、そのあまりの態度に我慢できず、毎日親子喧嘩勃発中なのです。



「この子このままで大丈夫なんだろうか?」「ちゃんとできてるんだろうか?」と毎日気にかけていますが、うまく気持ちが伝わらない日々を送っています。

 

そんな「クソ野郎」と思えてしまう息子ですが、先生方によると、野球になるときりっとした別人に変わり、相手チームも思わずどよめくようなプレイをすることもあるようで、チームメイトからの人望も意外とあるようでした。

野球に対する想いは強く、家での姿からは想像できません。

 

そんな野球をやっていなければどうにかなってしまうのではないかと思える息子が、最近になって練習着を洗濯に出さなくなりました。「またどこかに溜めこんで、まとめて出すんだろう」と思っていましたが、練習着はなにも使われず、白いまま。

 

不思議に思いチームメイトの保護者に様子を聞きました。

「提出物出し忘れたから2週間くらいずっとペナルティーで奉仕作業やっているみたいだよ」

家だと息子は、何も言わないしまったくわかりませんでした。夏の大会間近で背番号争いまっただ中の中、ここにきてやらかすなんてなんて馬鹿な息子なんだろう。なにもフォローできていない自分に対しても悔しさでいっぱいでした。ペナルティーは、息子だけなく他にも何人もいたようですが、何故か息子だけ他の選手よりも長い期間でした。

 

どうやら、他のチームメイトがペナルティー期間を終えて練習に再開し、息子もようやくというときに、再び小さなしくじりをしてしまい、息子だけがペナルティー期間の延長を言い渡されたようでした。

 

なんということか…行き場のない感情を持っていたところ、そこに本当にドラマがありました。



周りのチームメイトは、息子の小さなミスは、「みんなのミス、こいつだけをペナルティーを背負わせないでほしい。夏の大会が近いのに練習にこいつがいないのは、困る。練習を再開させてあげてほしい。そのペナルティーは、みんなでカバーするから」と監督、コーチに頭を下げ、チームメイト全体で奉仕作業をおこなってペナルティーを終わらせてくれたそうです。

 

この話は、監督がわざわざ話しをしにきてくれました。

 

メンバー争いをしている最中、ライバルがひとり減ったと思っても良さそうなところ、そのようなエピソードがあるなんて思いもしませんでした。

 

ペナルティーが明けて野球の練習が再開できた日、息子は、いつも以上に饒舌でうれしそうにいろいろ話してくれました。息子のことをいつも心配して寄り添っている愛犬にまで、その喜びを伝えていました。

 

野球ができること。練習ができること。

「ワンフォーオール・オールフォーワン」夏の大会背番号を勝ち取れるのは、わずか20人。でもほかのチームメイトも21番目の見えない背番号を付けて全員で戦っていることを。

 

結果として息子は背番号をもらうことはできませんでしたが、後悔している様子はなく、チームメイトが勝利を掴んでくれることを信じできることをしようと切り替えているようでした。

 

まもなく夏の大会地区予選が始まりますが、どの部活に限らずそれぞれのチームには、それぞれのドラマがあるでしょう。



その頂点は、わずか一校だが、それにかける思いと青春は、無限大です。

悔いのないようにしっかり暴れてほしいと心から思います。私も親として、今の息子の姿を目に焼き付けたいと思う。今日も陰ながら応援している。がんばれ

その他の子育て記事はこちら







関連記事一覧