実は反則プレイだらけ! 『キャプテン翼』はスポーツではなく格闘マンガ?
カードが続出する『キャプテン翼』のプレイとは?
1981年に「週刊少年ジャンプ」に連載がスタートした『キャプテン翼』は、2023年10月からアニメ「キャプテン翼ジュニアユース編シーズン2」の放映開始が発表されている。日本のサッカー人気の立役者との声も上がる『キャプテン翼』だが、実際の試合でやれば反則だろうと思われるような危険なプレイが多くみられる。そのなかから印象的なプレイを3つ紹介する。尚、危険なプレイの判断についてJFAが定める「サッカー競技規則2021/22」の「第12条 ファウルと不正行為」を参考とした。
『キャプテン翼』ではチャージを受けて吹き飛ぶシーンが描かれる。なかでも「中学生編」の「比良戸中」戦で見せた次藤洋による主人公・大空翼への執拗なチャージは印象的だ。先に3点を先制した比良戸中は、攻撃の起点となる翼を徹底的にマークする。シュート体制に入った翼に対して、次藤はななめうしろからショルダーチャージ。
「サッカー競技規則2021/22」によると、不用意に、無謀に、または過剰な力でチャージと判断されると反則となり、フリーキックが与えられるとある。次藤による死角となっているななめうしろからのチャージは、無謀で過剰な力だと判断されるのではないだろうか。
スパイクの裏側を見せたタックルも作品中に多く登場する。「小学生編」では「明和FC」の選手たちが「明和特攻スライディング部隊」と称し、スパイクの裏側を見せた状態でタックルを仕掛けている。実際のサッカーでは、スパイクの裏側を見せたタックルで相手選手を骨折させ、裁判で240万円余りの賠償を命じる判決が出たことがあるほどだ。
相手競技者が危険にさらされていることを無視して、または結果的に危険となるプレーを行うことであり、このようにプレーする競技者は、警告されなければならないと「サッカー競技規則2021/22」には書かれており、複数人による危険なタックルはこれに該当するだろう。
ここまでの2つは格闘技色が強い反則プレイだが、派手な得点シーンでも反則と認定されかねない技がある。それが立花兄弟による「スカイラブ・ハリケーン」だ。ひとりが発射台となり両足の裏を上に向ける。もうひとりがその両足に乗り高く飛び上がる技だ。ひとりでは届かないレベルまで高く飛べるため、攻撃でも守備でも重宝されている。
「サッカー競技規則2021/22」の第12条の「2. 間接フリーキック」の項には、危険な方法でプレーすると間接フリーキックが与えられるとある。「スカイラブ・ハリケーン」は、足を踏み外すと大けがにつながる点と、ひとりでは届かないレベルまで高く飛びすぎる点で危険な方法だと判断されるだろう。
著者の高橋陽一先生に対して、ネットでは「サッカーのルールを知らないのでは」との声すら上がっている。ただ、そのおかげで数々の必殺技や名シーンが登場した側面は否定できない。現実離れしたプレイを楽しみに、2023年10月から始まるアニメを見るのもいいだろう。