苦戦強いられるフラアニ枠 期待の『薬屋2期』で復活なるか?
2023年秋に新しく日本テレビが新設したアニメ放送枠「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」は、「金曜ロードショー」に続いて放送される見やすい放送時間なのもあり高い視聴率を残しています。それでも最近は視聴率で苦戦を強いられることも増えているようです。
次第に低迷する視聴率
「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」は2023年秋に新しく日本テレビが新設したアニメ放送枠です。数々の名作映画が放送される「金曜ロードショー」に続くアニメ作品としては早い時間での放送なのもあり、ビデオリサーチ社の調べる視聴率ランキングでは高い結果を出しています。しかし、開設から1年を経て、その様子に変化が起きています。
フラアニが開設されて先陣を切ったのが、「週刊少年サンデー」で連載されている人気の同題マンガを原作にしたアニメ『葬送のフリーレン』です‗勇者パーティの一員として魔王を打倒したエルフの魔法使い「フリーレン」が、年老いた勇者「ヒンメル」の死をきっかけに人間を知る旅を繰り広げます。
その視聴率は金曜ロードショーで放送した初回ではビデオリサーチ社の調べる番組平均個人視聴率(関東地区)が4%を超え、通常放送でも軒並み2%台を前後する好視聴率でした。ちなみに最近では視聴率全体が低下しているため、首位の『サザエさん』ですら平均して6%前後です。その高い人気もあって初回放送から約1年が経過した9月28日に開催されたイベントで、『フリーレン』は第2期の制作決定が発表されています。
しかし、引き続き放送された『転生したらスライムだった件』(転スラ)3期では視聴率1%台後半へと落ち込みます。同作は同題マンガを原作とする人気の異世界アニメで、スライムに転生した主人公「リムル」が周囲の後押しを受けて成長していく異世界転生エンターテインメント作品です。
続編ものの転スラは前作を見ていないと内容が分かりにくい面もあり、初見の視聴者から敬遠されてしまったのかもしれません。もっとも人気シリーズなのもあって、転スラは最終回から続けて4期や劇場版第2弾の制作が発表されています。
さらに視聴率は放送中の『株式会社マジルミエ』で落ち込み、おおむね1%台前半を推移しています。「少年ジャンプ+」の同題人気マンガが原作で、就職に苦戦していた主人公「桜木カナ」が魔法少女の仕事と出会い、ベンチャー企業のなかで成長していく物語です。視聴率が振るわない原因は、どうしても作品タイトルの知名度として『フリーレン』や『転スラ』に見劣りしてしまうためでしょうか。
こうしてみると苦戦を強いられている感がある「フラアニ」は、2025年1月から『薬屋のひとりごと』2期の放送を予定しています。同作は毒を好むヒロイン「猫猫(マオマオ)」と、やり手の宦官「壬氏(ジンシ)」が後宮で起きる事件に巻き込まれる宮廷ミステリー作品です。
前シリーズは『フリーレン』と同時期に放送され、両者は国内外で並ぶほどの注目を集めました。話題性としては充分すぎる作品であり、落ち込んだ視聴率の回復に期待がかかります。
フラアニは放送時間もあって『金曜ロードショー』で「スタジオジブリ」作品や劇場版『名探偵コナン』のような人気の作品が放送された日は高い視聴率を記録しやすい傾向にあります。主なアニメの視聴方法が配信に移り変わり、昔ほど重視されなくなってきたものの、ときには視聴率に目を向けてみるのも面白そうです。