『忘却バッテリー』が描く絶妙なリアルに「最高の融合」
記憶喪失になった中学有名捕手だった要圭(CV:宮野真守)と、同級生で剛腕投手の清峰葉流火(CV:増田俊樹)たちが、新設高校野球部で成長していく異色のアニメ『忘却バッテリー』のリアルな描写に注目が集まっています。
『忘却バッテリー』は、マンガアプリ「少年ジャンプ+」で累計閲覧数2億超えの同名人気マンガを原作とし、要圭の持ちギャグ「パイ毛」や『ドラゴンボール』のパロディなど、ギャグ要素の多い作品です。
アニメ化後も序盤こそギャク要素が多めでしたが、中盤に差し掛かるにつれ、徐々に人間模様や野球の描写など、「リアル」な描写が増え、「アニメ化して成功した作品」と好評を得ています。
たとえば第5話では打者がバントする際に、要圭が捕手として投手の投球を捕球する描写があげられます。投球と打者のバットが重なり捕球が難しい状況を、アニメならではの迫力ある描写で見事に再現していました。
また、二塁手の千早瞬平(CV:島﨑信長)がバッティングピッチャーを務めた際には、本職の投手ではないのでいわゆる「野手投げ」になっていたり、現時点の最新話(5/23現在、第7話)で藤堂葵(CV:阿座上洋平)がスローイングに苦しむ場面ではいわゆる「手投げ」になっていたりと、野球ファンでないとわからない細かな部分もリアルに描き、ファンを喜ばせています。
野球を知らなくても楽しめることも特徴の作品で、同じく第5話ではアニメオリジナル描写として、要圭が仲間たちに「野球の基礎」を聞く場面があり、「わかりやすかった」「野球を知らないのでありがたかった。しかも笑ってしまった」と、知らないファンを置いてきぼりにしない心配りが好評のようでした。
その他、要圭や藤堂葵が苦悩する心理描写は、アニメならではの「奥行き」を感じられるもので、「何かに挫折した人ほどわかる」「共感して泣ける」と評判です。
ちなみに、この第5話や第7話は同作の作者である、みかわ絵子先生がネームを提供したアニメオリジナルが織り交ぜられてもいます。特に第5話は、同先生の公式X(https://twitter.com/mikawaeco)にネームが公開されているので、より一層マンガとアニメの融合を感じられるかもれません。
これらの描写にはネット上に「ギャグ満載だし、めっちゃ笑えるんだけど、その裏にある才能と凡才の光と影のコントラストの強さがまたリアルで…ギャグとシリアスとリアリスティックさが良い」「マンガとアニメの融合が神ってる」「人間性とか気持ちの変化の部分でリアルを書くのが上手い。野球に関わったことない俺でもつい見入ってしまう」と、絶賛の声が見られます。
まだ第7話が終ったばかり、マンガも「少年ジャンプ+」で無料配信されています。今からでも『忘却バッテリー』を追って、「リアル」を楽しんでみてはいかがでしょうか。