シートノック短縮へ… またひとつ高校野球の姿が変わり意見さまざま「本当に選手の意見?」
高校野球の姿がまたひとつ変わっていきそうです。さる2025年4月18日に「第107回全国高校野球選手権大会」が開催され、試合前のシートノック時間が従来の7分以内から「5分以内」に変更されることが決定されました。
これは近年おこなわれている熱中症対策のひとつとしておこなわれるそうで、疲労軽減や時間短縮が目的。アップは室内練習場でできるなどの意見があがっていたそうです。
そもそもシートノックは日本独自で発展しているもので、各カテゴリーでその時間は異なります。少年野球では5分以内、中学硬式野球では高校野球と同じく7分以内、大学、社会人ではやはり7分以内と決まっています。試合前の内外野分かれてのノック、そして時間が迫ってくると守備位置について内外野に打球が放たれ、最後の一球は守備の上手い選手がさばいて締めて…。試合前のこの連携はそのチームの特色が出て試合前から観客の目をひくものです。
今回のこの対策にはさまざまな反応が出ています。「本当に選手の意見なのだろうか」「高野連の熱中症対策はどれもずれているように思える」「2分短縮になんの意味が…」など、懐疑的な意見が目立ちます。
一方、野球の技術はもちろんグッズや新情報などさまざまな魅力を発信し続けるYouTubeチャンネル「トクサンTV【A&R】」でもこの問題を取上げており、動画内では「2分短縮が人体に与える影響」について調べたそうで、「劇的な差は無いがリスク軽減に繋がる」としています。
とはいえ、筆者も野球をしてきた身としては、このシートノックで緊張を和らげたり、球場の雰囲気や状態を確かめたりなど貴重な時間だったと感じています。また、大きな大会になればなるほど高校野球というカテゴリーでは選手交代が頻繁におこなわれることは少なくなります。とすれば、控え選手にとっては「シートノックの場」だけがグラウンド内に入れるチャンスです。たった2分とはいえ、この時間を短縮してしまうのは、本当に選手ファーストなのかと感じてしまうのでは筆者だけでしょうか。
現在高校野球では夏の期間、5回終了時にクーリング時間を設けていますが、3回や7回終了などでもう一度設けるなど、別の対策もあるのではないでしょうか。今年の国体から高校野球でも7イニング制が導入予定と高校野球が変わってきています。暑さ対策が時間短縮の方向性で検討が続くと、今後ますます変更があるかもしれません。