「パスボール」と「ワイルドピッチ」の違いって? 実は奥深い記録の謎!
野球の試合を観戦していると、「パスボール!」「ワイルドピッチ!」と実況が盛り上がる場面を耳にすることがありますよね。どちらも、キャッチャーが捕球できずにランナーが進塁してしまう点は同じですが…実は、この2つ、記録上は全くの別物なんです。
今回は、野球ファンなら知っておきたい「パスボール」と「ワイルドピッチ」の違いについて、具体的な例を挙げながら、わかりやすく解説していきます!
そもそも「パスボール」と「ワイルドピッチ」ってどんな時?
まず、パスボールとワイルドピッチ、それぞれどのような場合に記録されるのかを確認してみましょう。
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パスボール: 捕手が、 捕球できる可能性があった 投球を捕球できず、その隙にランナーが進塁した場合に記録されます。
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ワイルドピッチ: 捕手が 捕球することが不可能なほど 大きく外れた、または、暴投に近い投球を投げた場合に記録されます。
つまり、ポイントとなるのは 「捕手がその投球を捕球できたかどうか」 という点です。
パスボールとワイルドピッチを分けるポイントは? 具体的な場面を想像してみよう!
では、具体的な場面を想像しながら、それぞれの記録の違いをより詳しく見ていきましょう。
【ケース1】 ストライクゾーンを外れた投球
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パスボール: ストライクゾーンから少し外れただけの、コントロールミスの少ない投球を、キャッチャーが後逸してしまった場合は、「パスボール」と記録されます。
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ワイルドピッチ: ストライクゾーンを大きく外れ、バックネットまで転がるような、明らかに捕球が困難な投球だった場合は、「ワイルドピッチ」と記録されます。
【ケース2】 バウンドした投球
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パスボール: ワンバウンドしながらも、キャッチャーが捕球できるコースだったにも関わらず、後逸してしまった場合は、「パスボール」と記録されます。
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ワイルドピッチ: 大きく横に逸れたり、イレギュラーバウンドしたりするなど、捕球が不可能なほど大きく外れたバウンド投球の場合は、「ワイルドピッチ」と記録されます。
このように、捕球できる可能性があるにも関わらず、キャッチャーが後逸した場合は「パスボール」、捕球すること自体が困難な投球だった場合は「ワイルドピッチ」と、明確に区別されます。
パスボールとワイルドピッチの違いは、記録だけじゃない!
パスボールとワイルドピッチの違いは、記録上だけではありません。
パスボールは、捕手の技術不足や、サインミスなどによるバッテリーの責任とみなされることが多いのに対し、ワイルドピッチは、投手の制球力不足が原因とされるケースがほとんどです。
そのため、パスボールが多い捕手は、守備面での評価が低くなってしまう可能性があり、ワイルドピッチが多い投手は、制球力に課題があると判断されてしまう可能性があります。
一見すると、どちらも「キャッチャーが捕球できなかった」という点では同じに見えますが、「パスボール」と「ワイルドピッチ」は、その原因や責任の所在が異なるため、明確に区別されているのです。