第1話から圧巻な『花は咲く、修羅の如く』 百合だと侮ったら間違いの魅力的な朗読アニメ

「花は咲く、修羅の如く」メインビジュアル ©武田綾乃・むっしゅ/集英社・すももが丘高校放送部

朗読の魅力に引き込まれる物語

 月刊青年誌「ウルトラジャンプ」に連載中で、放送前から注目を集めていた『花は咲く、修羅の如く』の1話が1月7日から放送されました。物語は放送部を舞台にした青春群像劇が描かれます。

 

 原作は吹奏楽を舞台に青春を描いた作品『響け!ユーフォニアム』で知られる武田綾乃先生が物語を手掛け、むっしゅ先生の繊細な作画も人気です。さらにアニメーション制作を「無職転生」シリーズや『お兄ちゃんはおしまい!』などを代表作とするスタジオバインドが手掛けるのもあり、放送前から注目を呼んでいました。

 

 第1話ではすももが丘高校への進学を前にした主人公「春山花奈(CV:藤寺美徳)」が子供に絵本を読み聞かせていたところ、同校で放送部の部長を務める「薄頼瑞希(CV:島袋美由利)から放送部への勧誘を受けます。しかし、花奈は高校のある島までフェリーで通学するため、下校時間を理由に瑞希の勧誘を断っています。

 

 時がたち高校へと進学した花奈は下校中に再び瑞希から勧誘を受け、最後はフェリーの最終時間まで変更させる瑞希の熱意に負け放送部へ入部を決めることになります。

 

 声をテーマにした作品なだけあって、登場人物が朗読する際の演出には目を見張るものがありました。特に大きかったのは中盤の瑞希が校長先生からの詩を朗読する場面と、終盤に花奈が雨の降りしきるなか『春と修羅』を読み上げる場面でしょうか。それまで色鮮やかだった画面の色調が一転し、暗さが深みを増していく迫力や演出には圧倒されます

 

 同じ『春と修羅』の朗読でも「西園寺修羅(CV:日笠陽子)」の読み上げた序盤と、終盤の花奈とでは大きく違った印象を受けます。花奈が子供に優しく読み聞かせる朗読会での場面と、物語に入り込んだような終盤の朗読での差も同様でしょうか。

 

 また放送部を舞台にした珍しい作品なだけあって気になるのが、瑞希のセリフにもあった「Nコン」です。まず「Nコン」と聞くと、真っ先に多くの人は花奈と同じく合唱の「NHK全国学校音楽コンクール」を想像してしまうかもしれません。

 

 放送部のほうのNコンは正式名称を「NHK 杯全国高校放送コンテスト」といい、主催するNHKの公式サイトによれば全国の中学校や高校から2000校以上が参加する大規模なコンテストだそうです。登場人物の青春模様だけでなく、大舞台となるNコン出場に向けて、どういった物語が展開されるかにも期待が高まります。

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